1.中国・食道発声研修会の実施報告
(国際ボランティア貯金の援助金による食道発声指導者養成研修会)
平成21年11月から平成22年3月にかけて中国・北京市同仁病院研究棟において国際ボランティア貯金の援助金による食道発声指導者養成研修会を開催いたしました。
◆ 期 間
① 平成21年11月27日~平成21年12月11日
参加会員 52名 家族および関係者23名 合計75名
日本人指導員3名(銀鈴会)、新美典子会長、
安藤増雄副会長、 秋元洋一理事
② 平成22年3月8日~平成22年3月22日
参加会員 50名 家族および関係者21名 合計71名
日本人指導員3名(銀鈴会) 新美典子会長、安藤増雄副会長、松山雅則常務
◆ 実施状況および成果
中国では北京オリンピック、上海万博開催をはじめ、中国全体が建設ラッシュの発展途上にあります。一方、環境汚染や喫煙習慣などが原因で喉頭癌は増加傾向にあります。中国における喉頭癌の手術費は大変高額なため、低所得者層、貧困層、北京郊外の居住者の喉頭摘出者は術後訓練に行きたくても交通費すら捻出できない人達が多数います。また指導員不足と喉摘者の増加で発声リハビリの対応が出来ない状況になっています。このような状況において高価な器具を必要としない食道発声の普及は大変有用であります。そこで中国喉摘者協会への支援と指導員の養成を目的として銀鈴会から講師を派遣しました。
訓練初日に面接により52名の会員をレベル別に初級クラス(21名)、中級クラス(15名)、上級クラス(16名)の3クラスに分け、それぞれのクラスを銀鈴会の3人の指導員が担当しました。特に銀鈴会の指導要領に従って研修期間中、一貫した指導を心がけました。
後半の3月の研修会では当初11月研修で初級クラスの声の出ない会員14名、誤発声者2名いましたが、3月研修の最終日には声の出ない会員全員が「あ」の発声が可能になりました。誤発声者も本人が自覚して取り組んだ結果かなり改善する事が出来ました。また中級クラスから上級クラスには7名の会員が昇格しました。上級クラスの会員には指導員育成を目的に「お茶呑み法と2音から5音までの発声指導」の実技演習、実践指導に力を入れ、北京再声会の丁会長に指導員候補10名を推薦いたしました。
研修最終日には、参加者全員がその成果を発表し最後は上級クラスによる「さくら」の合唱で発表会を締めくくりました。また汽車で30時間とか20時間かけて遠くから参加した会員には各クラス3名ずつ9名の方に賞品を授与しました。銀鈴会AFLAからは参加会員全員に研修修了書を手渡しました。
今回の一連の研修会でAFLA中国代表・常任委員の韓徳民先生、天喉者再声会の丁会長、多数の病院関係者から大変丁寧な感謝とお礼のお言葉をいただきました。
2.第24回アジア連盟常任委員会および第22回臨時総会報告
平成22年4月にマレーシアのクアラランプールで開催された常任委員会、臨時総会の概要を報告いたします。
◆ 開催日時
2010年4月9日(金) 9時25分~17時
◆ 開催場所
マレーシア国 クアラランプール市内 ホテル日航クアラランプール
◆ 出席者
・顧 問
イムラン・ガバチャン(マレーシア)
・副 会 長
M・アミン・ジャラルディン(マレーシア)
・専務委員
新 美 典 子(日本)
・常任委員
B・M・アブロール(インド)
安 藤 増 雄(日本)
韓 徳 民(中国)
朱 本 元(台湾)
スナンタ・ポルパタペー(タイ)
チャンコルワタナ (タイ)
M・アブドラール(バングラデシュ)
・代理出席
ビクター・トゥー(香港)
・通 訳
橋 爪 丹
・オブザーバー
B・M・アブロール婦人(インド)
Dr.マニー(インド)
エメリオ・L・ロハス夫妻(フィリッピン)
鄧 裕 宗 Andy(香港)
梁 楽 詩Betty(香港)
ナシー・ウディン夫妻(バングラデシュ)
サラ・ウディン・サイード(バングラデシュ)
ダトー・モハメド・シャリフ・サマー(マレーシア)
松 山 雅 則(日本)
内 田 進(日本)
◆ 開会および挨拶
新美専務委員が開会を宣言し、各委員それぞれ自己紹介後、イムラン・ガバチャン顧問が開催国を代表して歓迎の挨拶を述べました。続いてマレーシアのアミン副会長の挨拶後、新美専務委員を議長に選任して議事の進行に入りました。
第1号議案 新会員紹介と新役員の承認
役 職 | 前任者 | 新任候補者 |
会 長 | 久永 進 | 安藤 増雄 |
常任委員 | 安藤 増雄 | 松山 雅則 |
監 事 | 髙野 茂 | 内田 進 |
上記提案どおり、可決承認されました。
更に、インド(チェンナイ)のDr.マニーを新常任委員として加えたいとの提案がなされ、 審議の結果、提案が承認されました。
第2号議案
2008・9年度事業報告並びに決算報告の承認
研修派遣国、インド、ネパール、中国、香港 派遣指導員延べ16人
提案どおり、可決承認されました。
第3号議案
2010~11年度事業計画並びに予算案報告の承認
研修予定国、シンガポール、フィリッピン、モンゴル、ベトナム
予定派遣指導員、 延べ18名
提案どおり、可決承認されました。
第4号議案
次回常任委員会および臨時総会の開催計画の承認
次回開催地として2012年4月頃中国の北京、フィリッピンのマニラ、バングラデシュのカラチが 候補として上がり、賛成多数で北京に決定しました。
第5号議案
各国、地域の活動報告および自由討議
今回10カ国26人が出席しての常任委員会であり、それぞれ各国の代表常任委員が一人約10分ずつ各国の実態と要望を説明しました。
◆ 重原賞の授与
AFLA団体賞 バングラデシュ喉摘者クラ(代表:M・アブドラール)
AFLA個人賞 久永 進(社団法人 銀鈴会)
◆ 閉会
◆ その他
・総会に先立ち、前日の4月8日 14時~17時にAFLA運営委員会を開催しました。出席者はイムラン・ガバチャン、M・アミ
ン・ジャラルディン、新美典子、B・M・アブロール、安藤増雄、韓徳民、朱本元、松山雅則、内田進、通訳の橋爪丹の10
人です。
・ また4月12日、13日の2日間はマレーシア喉摘者協会の要望によりマラヤ大学で食道発声研修会を開催しました。この研修
会で喉摘者とマラヤ大学のドクターなど32人に食道発声の基本と実際を実演指導しました。