第12回全国喉摘者発声大会


 - この大会は、公益財団法人JKAによる「オートレース公益資金」の補助を受けて実施されました -



食道発声部門第1位 厚生労働大臣賞受賞 板谷吉治さん
食道発声部門第1位 厚生労働大臣賞受賞 板谷吉治さん
EL発声部門第1位厚生労働大臣賞受賞 谷川広美さん
EL発声部門第1位厚生労働大臣賞受賞 谷川広美さん

 

2024年11月16日(土)第12回全国喉摘者発声大会がNPO法人日本喉摘者団体連合会・公益社団法人銀鈴会 共催、厚生労働省後援により、東京都障害者福祉会館に於いて開催されました。

開催に先立って、予め所属会員数によって出場者の枠が決められ、9月から10月に亘って全国各ブロックでの予選会が行われ、食道発声の部から18名、EL発声の部から8名の方々が決勝大会に進みました。

大会は銀鈴会の福山監事の司会で、ご来賓の皆様のご祝辞がご披露され、引き続き発声大会が実施されました。

食道発声の部は課題曲「赤とんぼ」または「故郷の空」を1曲歌い、スピーチと合わせ5分以内、ELの部はスピーチのみ4分以内で発表し、それぞれが緊張しながらも時間を有効に使い高度な発声を披露されました。

予選を勝ち抜いた大会とあって実力伯仲でしたが、厚生労働大臣賞を獲得した(公社)銀鈴会の板谷吉治氏は、喉摘者とは思えないほど素晴らしい歌声とスピーチで聴衆を魅了されました。

またELの部でも今回から厚生労働大臣賞が贈られることになり、いずれ劣らぬ大接戦で、神鈴会の谷川広美氏が1位を獲得されました。

 

デモンスレーションでは神鈴会の沖田道夫氏がシャント発声を、また阪喉会の関井健市氏がタピア発声の鮮やかな発声を披露されました。

 

アトラクションでは銀鈴会スズランの会に群鈴会、埼玉銀鈴会からの応援もありコーラスが披露されました。

 

 

◆ 競技結果(敬称略)

 

【食道発声の部】

第1位  板谷 吉治  (公社)銀鈴会

第2位  大久保 則彦 (公社)銀鈴会

第3位  山後 政芳  (公社)銀鈴会

第4位  山名 真一郎 (公財)阪喉会

第5位  宮園 秦久  名声会

第6位  佐藤 克美  恵声会

第7位  慶野 繫   静岡県静鈴会  

第8位  豊田 建彦  愛声会

 

【EL発声の部】

第1位  谷川 広美  神鈴会

第2位  前田 明子  愛友会

第3位  金安 泰子  京葉喉友会

第4位  藤田 須賀野 神鈴会

第5位  領家 宣雄  (公社)銀鈴会

第6位  大西 一夫  恵声会

 


第12回全国喉摘者発声大会講評 吉原 俊雄先生


日喉連顧問・銀鈴会常任顧問 吉原俊雄先生

 

全国大会ゆえ全体的にレベルが高いと実感しました。

食道発声スピーチでは、課題曲を唄ってからのスピーチ発表になりましたが、歌はリズムを取らなければなりません。リズムを取ることは話す上でも重要な要素ですが、皆さんはリズム良くスピーチをされていました。

皆さんのスピーチをお聞きし多彩の趣味をお持ちだと思いました。何事にもチャレンジすることは、横のつながりを持つことが出来ますので大切だと痛感しました。

食道発声で優勝した板谷様は、歌の高低がとても良く出来ており、スピーチ発表でもよく現れておりました、もっと会話が上手になられると思います。

EL発声部門の皆さんはとても上手なスピーチ発表でした。優勝された谷川様は、大学生の息子さんが卒業後に上京される際に自分の言葉で見送りたいとの一心で発声練習されたとの内容でしたが、とても実感がこもっていました。

食道、ELそしてシャント発声の言葉は、声道を通って口の中で言葉作り振動によって発声していますので、口を動かすことは非常に大切です。口を動かさなくなると、発声力が退化しますので、日常的に口を動かすことに心がけてください。

今日は皆様お疲れ様でした。