会長挨拶


 

ちょうどこの原稿を書いている時、テレビで熊本地震のニュースを目にしました。私は40代後半の6年間を熊本で過ごしましたのでテレビに映るあちこちの思い出の場所の無残な姿に心が痛みます。城好きの私が数十回は通った熊本城の悲しい映像には涙が出て来ました。我々の仲間である熊本県天声会の皆様の状況が大変心配です。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。


銀鈴会では昨年、つんく♂さんの影響で食道発声が話題となり、銀鈴会の活動を進める上で大きな力となりました。お陰さまで昨年から始まった銀鈴会の賛助会員制度では多くの方々からご支援をいただくことが出来ました。ご支援下さいました皆様方には改めて感謝申し上げます。今年から日喉連も賛助会員の制度を取り入れ、日喉連各団体により全国展開を進めて行くことになっています。平成28年度も皆様方のご支援が不可欠ですので引き続きお力添えを宜しくお願いいたします。


さて、今年は我々障害者にとって大きな節目の年になります。それは4月からの障害者差別解消法の施行です。この法律は昨年2月発効の障害者権利条約の国内法として成立したもので障害者差別解消法と障害者権利条約はコインの裏表の関係と言われています。条約は国と国との合意であり、国際的な約束です。条約で規定している国際的な約束を国の中で守るため障害者差別解消法が作られました。この法律は国や地方公共団体、民間業者が正当な理由なく、サービスを拒否したり、制限したり、条件を付ける行為を禁止しています。大きくは「不当な差別的な取り扱い」と「合理的配慮を欠く行為」が禁止されます。「不当な差別的な取り扱い」は国や地方公共団体、民間業者すべてにおいて禁止されます。しかし「合理的配慮を欠く行為」については国や地方公共団体は法的義務が生じますが民間業者は努力義務です。この法律はあくまで国や地方公共団体、民間業者などを対象とする法律であり、一般の個人的な関係で障害者と接する場合を対象にしておりません。我々も障害者の一員として、また公益法人の一員として障害者差別解消法について正しく理解しておきたいと思います。


発声訓練士の資格制度も4年目を迎えましたが今年度の発声訓練士の共通学習テーマは「障害者権利条約」と「障害者差別解消法」の学習に決まりました。これら条約や法律が我々喉摘者とって、また団体とってどのように関わって来るのか、正しく理解して今後の活動に生かそうと言うのが主旨です。


昨年は銀鈴会の活動PRのためカラ―パンフレットを作成配布しましたが、今年はさらに日喉連でPRビデオを制作します。手術前、手術後の喉摘者を励ましたり、世間への理解と協力をお願いすることに活用していただき、会員減少の歯止めと、賛助会員制度による財務体質の強化を図ろうと考えています。


今年11月には全国喉摘者発声大会が東京で開催されますので銀鈴会からも多数の皆様に参加していただき、日本一と厚生大臣賞の栄誉を目指して頑張っていただきたいと思います。


我々は幸い一命を取り留め、発声訓練の機会を得ましたが世界には声を失い、発声訓練の機会が無いまま人生に悩む人も多数おります。今後とも「一人でも多くの人の声と元気を取り戻す」という創設者達の思いを引き継いで行きたいと思いますので、皆様のご支援、ご協力を引き続き宜しくお願いいたします。

 

公益社団法人銀鈴会会長 松山雅則